葵のご紋の入った印籠を持つ、おなじみの水戸黄門様。
お腹には時計がついている。
・・そうです。時計なんです、これは。
今は嫁いだ娘。かって毎朝めざましに使っていた。
仕事に間に合うよう時間をセット。
まず 「
ジャーン!!」 という、けたたましい音がなる。
次に 「
助さん 格さん 時間ですぞ!」
と黄門様が叫ぶ。これで目覚めてスイッチを押すと
「
ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ〜」 と笑って終わるのだ。
もし気が付かねば
「
ジャーン!! 助さん 格さん 時間ですぞ!」
が何回でも続く。
かって娘の部屋が隣だったし、
なかなか起きなかったので毎朝これに私は悩まされたものだ。
そして娘が嫁ぐ時、これを家内に渡していった。
・・今、家内が使っている。しかし、
疲れている時はなかなか起きないので、
「
ジャーン!! 助さん 格さん 時間ですぞ!」
・・・これでもか、これでもかと炸裂する。
私はまた悩まされている。
家内が定年になる日まで続くだろう。
しかし、物でも何でもそうだが、
思い出が詰まってるものは、なぜか哀愁があり、
かっての辛い時代さへよみがえってくるから不思議です。
「ああいう時代もあったなぁ!」・・と、
鳴り止まぬ時計の音に、私は苦笑いしている。