生まれたのは半世紀前のこと
「朝早く、すずめが、いっぱい鳴いていたよ」
わたしが生まれた時の状況を、母親はこう話してくれたことがあった。
春の息吹が野にも山にも萌え出でるころ、小さな山村の家にわたしは生まれた。
「十月十日」の間・・・母親の胎内で暮らし、オギャーと生まれてきた。
この世でたった一人の父と母のDNAを受け継いで・・・。
「生命の誕生」とは、考えてみれば何とも不思議なことである。
1年半前、孫の出産の感動を 「夜明け前の病院」 で味わったわたしは、
命のリレーの不思議さを垣間見た。
その時ふと、自分の生まれた時の様子を思い出したのである。
この世に生まれ、1年=365日 80年で、29,200日。
人生は、まさに 「まばたき」 ほどの時間である。
しかし、そんな短い人生にもかかわらず、諸行無常、喜怒哀楽、愛別離苦・・・
人はどんなにか長い長い時間を過ごしたように思う。
地球は時速1500キロM以上の速さで回っているが、私たちには静かに
たたずんでいるとしか思えない。静と動の究極は結局同じものなのだろうか?
だとすれば 「生」 「死」 の究極も同じなのだろうか?